介護福祉士が教える!意外と知られていない『介護保険ではできない』暮らしのサポート

介護保険とは?

65歳以上の人で、市区町村が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合に利用できるサービスのことです。認定を受けると、所得に応じて自己負担額が1割~3割でサービスを利用することができます。具体的には、訪問介護や福祉用具のレンタルを自己負担額1割~3割で利用できるほか、自宅をバリアフリー化する際のリフォーム費用に対する補助(住宅改修)もあります。
※40歳~64歳までの人は、介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合は、介護サービスを受けることができます。
しかし、介護保険では出来ることとできないことがあります。今回は意外と知られていない介護保険でできないことについて、具体例を交えて紹介していきます。

介護保険でできないこと

《過去に介護保険が使えなかった事例》

①「昔から掃除好きで何年も床のワックスがけをしていたけど、最近できていないの・・・頼んでもいいかしら?」

できません。
介護保険では、日常生活を送る上で必要な洗濯や掃除機がけなどの家事は行なえますが、範囲を超えた家事はできません。(※ワックスがけやおせち料理作成、障子の張替え など) しかし、本人にとっては床がピカピカなことがとても誇らしいことだと思っています。 訪問介護員も「やってあげたいけど規則で出来ないんです。。。」と葛藤している人も多いです。

②「長年趣味だった手芸をやりたいけど麻痺があり、一人では難しいので一緒に手芸をして欲しい・・・」

できません。
本人の趣味嗜好に合わせた支援は基本的には介護保険内ではできません。ヘルパーに頼んだが断られた、というケースも少なく有りません。 なぜなら介護保険で趣味を支援することは、生活援助でもなければ、身体介護でも有りません。よってできないのです。

③「ながら作業では無く、ヘルパーさんとしっかりとお話がしたい・・・」

できません。
訪問介護にて、訪問介護員もしっかりと時間を取り利用者の話を聞きたい人は多いですが、掃除や洗濯などの業務の中で行うため、どうしても何か業務を行いながら行うことになってしまいます。

④「足が悪くなってしまったので、犬の散歩ができない。ヘルパーさんにしてもらいたい・・・」

できません。
介護保険サービスでは行うことができません。介護保険は本人の尊厳の保持、自立した日常生活を支援するサービスです。介護保険は社会保険制度の一つとなり、国民の保健医療の向上、及び福祉の増進が目的となっています。ペットの世話は本人の大切にしている事であっても、以上の観点から行うことができません。


その他にも・・・
◯同居する家族分の食事を作ることや洗濯
◯一緒に運動をする・散歩をする
◯車や自転車の洗車や整備
◯金銭管理や通帳記帳


などが介護保険サービスでは行えない事となっています。

すべての要望を介護保険内で行うことはできない

負担も少なく、出来ることも多い介護保険ですが、「個人の趣味嗜好を支援する」「柔軟なサポート」という側面では課題も多いのが現状です。最近では公的な介護保険ではできないサービスを提供する介護保険外サービスも充実してきています。親孝行をしたい家族や、本人が喜ぶ姿を見たい家族は介護保険外サービスを利用している人も多いです。この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

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