社会福祉士が教える「高齢者が笑顔になる食事」〜ポイントは”飲み込む力”と”他の人と食べる共食”〜

こんにちは!Tayoryマガジンライターで、社会福祉士・精神保健福祉士・公認心理師の太田です。

最近は、関東地方でも雪が降るほど寒い日が続いていますね。こう寒い日が続くと外出することが億劫になることもあるかと思います。私は今年のお正月はほとんど家の中で過ごしていました。そのような生活の中で楽しみにしていたことは日々の食事です。今日は何を食べようかと考えながら、インターネットでレシピを調べることに幸せを感じていました。

 私のように食事を楽しみにしている人は少なくないようで、内閣府の令和2年度第9回高齢者の生活と意識に関する国際比率調査では、 『生きがいを感じる時』の質問の結果として、「子どもや孫など家族との団らんの時」(55.3%)に続き、 2番目に「おいしい物を食べている時」(53.8%)が挙げられています。人間にとって食事は、生命維持や成長発達に必要な栄養を摂取するだけでなく、楽しみの一つであるのです。


 では、食事を楽しむためにはどのようなことが効果的なのでしょうか。こちらでは2つのことを紹介したいと思います。

1 おいしく食事をするためには、「飲み込む力」がとても大事!簡単に出来るトレーニングをご紹介。

1つ目は、『口腔機能の維持・向上』です。食事をおいしく食べるためには、食べ物をよく噛み、咀嚼した物を飲み込む力が必要となります。この力は話すことへも共通しているため、トレーニングで口腔機能の低下を防ぐことは人と社会との関わりの減少を防ぐことに繋がります。

トレーニングには、主に3つの項目があります。

①口を大きく開ける体操
②舌を滑らかに動かす体操
③唇を動かす体操


があります。また、誤嚥を防ぐためには、歯を磨き、口腔内の衛生状態を保つことも重要です。

2 ”誰かと一緒 に食事をする”共食!〜たくさんのメリットと具体例をご紹介〜

2つ目は、『共食の機会をつくること』です。以下では、家族と一緒に食べることを例として挙げます。農林水産省の食育に関する意識調査報告書(平成30年)によると、家族と一緒に食べることの良い点の上位4つは、

「家族とのコミュニケーションを図ることができる」(79.4%)
「楽しく食べることができる」(62.3%)
「規則正しい時間に食べることができる」(38.2%)
「栄養バランスの良い食事を食べることができる」(36.6%)



でした。反対に、一人で食事をとることを「孤食」と呼びます。同調査の結果、 70歳以上の女性では、約4人に1人が「ほとんど毎日一人で食べている」と回答しています。また、一人で食べることの意識については、「一人で食べたくないが、一緒に食べる人がいないため仕方ない」と回答した人の割合が60・70歳代の女性で高くなっています。


孤食は、自分以外の誰かのために食事を用意することがないため、栄養バランスが偏り、加齢に伴い食事量も低下しやすい傾向にあると言われています。食事から必要な栄養をとることができないと筋肉量が減少することで活力が低下し、さらなる低栄養を招くと考えられます。結果として、高齢者の健康寿命が損なわれる可能性があるのです。

様々な場所で「共食の機会」はある!気軽に地域に相談を。

しかし、一緒に食べる人がいないと考える人にとって共食の機会をつくることは容易ではありません。近所に家族や仲の良い友人が住んでいない人も多いと思います。そのような場合には、 高齢者支援施設を利用することや自治会などが企画するイベントなどに参加することが対応法の一つとして挙げられます。今日の日本は超高齢化社会と呼ばれ、多種多様の高齢者向けのサービスが存在しています。地域包括支援センターなどの専門の機関に相談することで自分や自分の家族に合ったサービスを見つけることができるかもしれません。


 WHO憲章では、健康の定義を「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」としています。健康であるためには食事は重要な役割を果たします。レシピを考えたり、食材を買うために買い物に行ったり、作るために台所に立ったりと食事を楽しむことは頭も身体も使います。いつまでも食事の時間を楽しみにしていたいですね。

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ー参考文献ー

“令和2年度第9回高齢者の生活と意識に関する国際比率調査”内閣府
https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r02/zentai/pdf_index.html(2021/1/1)
“食育に関する意識調査報告書”農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/ishiki/h30/index.html (2022/1/1)
“オーラルフレイルについて”日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/(2022/1/1)
“健康の定義”公益社団法人日本WHO協会
https://japan-who.or.jp/about/who-what/identification-health/ (2022/1/1)

ライタープロフィール

太田風果

Tayoryマガジンライター。
埼玉県の児童発達支援センターにて、社会福祉士/精神保健福祉士/公認心理士の資格を活かし、子どもたちの療育や保護者への相談業務に従事。

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